Greenwich – Meantime Brewing Company

London Sutton Walk
8月24日の朝、デイブとヘザーの娘のクロエ(注:英語ではクローイーと発音)がオーストラリアから連れてきたフレンチ・ブルドッグのローウィのお散歩に。ローウィは短い鼻であちこち匂いを嗅ぎまくって、むむっと思うとマーキング。ちっこいくせに割と自己主張が強いようだ。

横断歩道を渡る際、中央分離帯で一休みできるようになっているのだが、驚いた事に横断歩道に人がいても車は一向に止まるどころかスピードを落とす様子もなく、危うく轢かれそうになった。アメリカでは横断歩道に人が見えたら必ず止まらなければならない決まりになっているが、イギリスではこんな所も日本と類似しているなと逆に感心。今時、人に厳しい運転をする国はアジアや中南米くらいだと思っていたが、ここにもそんな国があったのね。。。
Sunflower

ただこの国は動物には優しいようだ。公園に着くとローウィをリードから放して自由に走らせることができた。そして面白い事に、公園の遊具が円形の柵の中に集まっていた。ここでは犬の遊び場が殆どで、人の遊び場は小さな檻の中というワケ。なかなか面白い国だ。

家に帰ると、昨日駅前の M&S で買ってきたヒマワリの花束がテーブルの上の花瓶に生けてあった。花も少し開いてとてもキレイ。ちなみにこの花束、かなりボリュームがあり豪華なのに 10ポンド(約$14〜15)で、私的にはかなり安く感じたのだが、どうだろう?
色々なものが高いこの国でこの花束にこの値段は高い?安い?
もしかするとイギリス人は実用的な人が多くて、あまり花束のような物にはお金を使わないとか…?いや、逆に需要が多いから安いのか?
またまた色々と勝手に考えてしまう。😁
London Train

朝食のクロワッサンとミルクティをデイブが用意してくれた。ハワイで彼らと会った時にヘザーが言っていたのだが、イギリス人にとって「Tea」というとこのブラック・ティを思い浮かべ、日本で思うような「紅茶」とは程遠いらしい。アールグレーなどは香りがキツすぎて毎日飲むような代物ではないのだとか。アメリカでも「イングリッシュ・ブレックファスト」という種類の紅茶があるが、実際にイギリスで常用されているお茶は、それよりもさらにカフェインが強そうな、まるで煮出した麦茶のように濃い色をしていて、ミルクを入れて飲むのが一般的なようだ。

そういえばソールズベリーの宿でもおじさんが部屋用にミルクを運んできてくれたし、バースのアパートでも冷蔵庫に小さな牛乳が入ってたっけ。むしろコーヒーの方がマイナーな感じだ。
数年前からコーヒー断ちをしている私にとっては手軽にいつでも湯を沸かしてお茶を飲めるのは都合が良い。
London Greenwich Tavern

ヘザーがジムから戻ってきて入れ替わりにクロエも別のジムに出かけて行った。ロンドンには石を投げればジムに当たる、というくらいジムが沢山のあるらしい。もちろんピンキリではあるが、会費も一般的にアメリカよりもだいぶ良心的なようだ。

ヘザーの準備ができたところで、みんなでアーバンハイクに出発。今日の行き先は世界標準時のグリニッジ。そして最終目的地は Meantime Brewing Company で、夕方5時にブルワリー見学ツアーを予約している。最初、Meantime なんて変な名前のブルワリーだなと思ったが、グリニッジという事で納得。Meantime とは「標準時」という意味でもあるのだ。
London Greenwich View

電車を乗り継いでグリニッジに到着。まずは駅前でそれぞれ好きなものを買って公園でピクニックランチ。この日も快晴で気温もかなり高いが、木陰は爽やかだ。
天文台に向かう前に食後のデザートで、アイスクリームを食べる。日本のソフトクリームのような感じだが、チョコレートのスティックが刺さっていて、一緒に食べるとこれが結構美味い。

腹ごなしに歩き、天文台のある公園に入ると、結構な上り坂。休日ということもあっってか、沢山の人が訪れていた。頂上に着くと良い眺め!遠くにロンドンの高層ビル街が見えた。

観光客やら地元の家族連れやらカップルやら、とにかく沢山の人で写真を撮るにも一苦労なほどだ。
London Greenwich Observatory

天文台の中は有料で博物館のように展示されているが、結構な人だったのでパス。軽度0のラインには写真を撮るための行列が長く連なっているのが柵の外からでも見えた。0度ラインなら何も天文台の中に入らずともずっと続いているはず!と思い、敷地の外側に回ると、案の定。中よりも質素だが、一応ラインが引かれていて看板が出ている。ところが、こちらもすごい行列。。。どこもかしこもすごい人混みだが、せっかく来たので、並ぶ事にし、順番を待った。
Greenwich mean time

お約束という事で、軽度0のラインを跨ぎ、片足は東経、片足は西経という状態で4人で連なって記念撮影♪

天文台を後にし、街を抜けて、テムズ河の方へと歩みを進める。週末ということもあってか、どこに行っても沢山の人が!
19世紀に紅茶輸送船として建造された帆船、カティーサークが展示されている博物館の前の広場にはメリーゴーランドがあり、出店や臨時の宣伝ブースなども建ち並び、ここも沢山の人で溢れていた。
London Mary-go-round

テムズ河に沿って遊歩道を歩き、東へ向かう。Old Royal Naval College の、まるで王宮かと思うくらいの素晴らしい建物の前を通り、更に下流へ。

そしてついに最終目的地の Meantime Brewing Company に到着。
建物には東経0度0分30秒と刻まれている。ロゴもちょっと時計のメモリのような感じでなかなか良い。

ツアーの時間までまだ30分ほどったので、早速バーに入ってビールを味わう事にした。色々な種類がありちょっと迷ったが、ブライアンは Anytime IPA、私は London IPA を注文。どちらもホップが効いていて程よい苦みがあり、London IPA の方はさらに酸味が強感じた。まあ、喉が渇いていたこともあるが、どちらも飲みやすく、甲乙つけがたい。
London Greenwich Meantime Brewery
ツアーの時間となり、中庭の方には結構な人数が集まっていた。エジンバラ出身のちょっとポッチャリした女の子がツアーを担当し、順に蛍光オレンジの安全ベストを配る。背中には「Trainee Brewer(醸造家見習い)」と書かれていて、チョット嬉しいかも。

ツアーの最初はまず屋外の施設から。超巨大タンクには、何と300万パイントのビールが入っているとか。。。
そして蒸し暑い醸造室へと足を運ぶ。ピカピカのタンクが並ぶ室内は煮詰めたモルトの香りが漂っていた。

階段を登ると、最初にバーでビールの種類を見た時に気になっていた「Yakima Red Ale」と書かれた大袋がパレットに積まれていた。ヤキマとは元々アメリカインディアンの部族の名前から取られた地名で、かつて我々が住んでいたワシントン州シアトルから2時間ほど東へ向かった都市だ。なので別のヤキマがあるとは到底思えない。

London Greenwich Meantime Brewery実はこのヤキマは私が年に2回は必ず通っていた場所でもある。その主な理由はふたつ。この周辺は果物の産地で、6月には大好物のさくらんぼを大量に仕入れに行っていた。そして本当の目的は、ナパほど有名ではないが、ここがワインの産地だからだ。
1982年頃から始めたブドウの栽培が定着し、20年経ってやっとワインの味も安定し、シアトルでも徐々にヤキマ産ワインが流通し始めた頃から、事あるごとに日帰りでワイナリー巡りを楽しむようになった。

初めてヤキマでワインテイスティングの楽しさを覚えた頃、この近辺には20軒ほどしかなかったワイナリーが、今では100軒以上もあるという。町の中心地にテイスティングルームも増え、シアトルにサテライトショップもできたほど。
仲良くなったワインメーカーさんに、「見習いさせてよ」なんて言うと、「ワインは飲んでるだけの方が楽しいよ」とあしらわれていたが、あの頃本当に弟子入りしていたら、今頃ミセス・ワインクエストになっていたかも?

そしてヤキマに通うようになって2年目くらいの頃、果樹園の並ぶ美しい田園風景をドライブしていて発見したもの…、それは広大なホップ畑!当時はビールを殆ど飲まなかった私は、ヤキマのビールについてはそれほど興味を持たなかったが、植物としてのホップは何となく気になっていた。
去年シアトルに里帰りした際にも、ヤキマに一泊で行ってみたのだが、そこでいくつかのホップ園やブルワリーを訪ね、ヤキマが全米の70%以上のホップを供給しているという驚きの事実を知ったのだった。
London Greenwich Meantime Brewery Tour
説明が長くなったが、この「ヤキマ・レッド」という名を聞いた瞬間、恐らくヤキマのホップを使っているのではないか?という事がまず脳裏に浮かんだ。
彼女曰く、このビールにはもうひとつ特徴があり、ここで醸造されている大半のビールとは別の、特別なドイツのモルトを使っているらしい。我々が目にした大量の大袋は、ホップではなくモルトが詰まっているものだった。
さあ、こうなるとこのビールを飲まずにはいられない!

ビール造りの話が終わり、テイスティングルームに案内され、適当に空いている席に座ると、すぐにピッチャーでビールが配られた。ここではアメリカ人の、やっぱりぽっちゃり系の饒舌なオジサンが、ここのビールについての色々な話をしてくれ、その間我々はずっとビールを飲み続ける事となった。
ツアーで気前よく飲ませてくれたビールは全部で5種類。
London Greenwich Meantime Brewery
Easy Time Lager:とても軽くてスッキリ系、爽やかなフローラル。
London Lager:さらに深みがあり、モルトの甘みがあって日本のビールを思い出す味。
London Pale Ale:ホップとシトラスの香る、軽くてスッキリのセッション。ジャンジャン飲めそう。
Anytime IPA:最初にも飲んだが、4種のホップを使っているのだそう。口当たり良く、飲みやすい。
Yakima Red Ale:綺麗な赤い色だが、よくあるレッド・エールのように甘くなく、ホップが効いていて、フルーティな後味でとても美味。

ツアーの後は、またまたバーでさらにビールを飲んだ。
デイブはダークビールが好みのようで、London Porterばかり飲んでいたが、これも飲みやすくて美味しい。
他にも「ビールは飲んでも味がしない」というヘザーのためにオジサンが勧めてくれたラズベリーのウィートビアなども試してみたが、これはセゾンっぽい感じで、私にはちょっとイマイチ。。。
ヘザーはなかなか好きなビールが見つからないようだ。

散々飲んだのに、この後ネパール料理の店でガッツリ夕飯を食べ、2階建てのロンドンバスで帰路についた。

ブルワリー情報:Meantime Brewing Company

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