Sky Garden, Carvery, and a local pub

Near Bank in London8月25日、またもやピーカンの真夏日の予感。。。
ヘザーは朝からいそいそとサンドイッチを作り、ハワイからのお土産の保冷バッグに詰めて、またもやアーバンハイクに出発!
イギリス最終日もまた盛りだくさんなので、あちこち行ったり来たりの予定が詰まっている。

まずはバス停まで歩き、ロンドンバスに乗って Morden まで行き、ここから地下鉄 Northern 線に乗る。実はこの線は昨夜も乗って帰ってきたのだが、ヘザーが通勤している病院も3つ目の Tooting Broadwayという駅にあり、どうやら馴染みの経路らしい。今日はこのままロンドンの中心地へと向かい、オフィス街のど真ん中という感じの Bank で下車。

近代的な高層ビルが立ち並ぶ傍ら、駅の階段や街角にクラシックな建物や彫刻があったり、なかなか面白い。ビルの谷間に築数百年は経っていそうな古めかしい教会があって時を告げる鐘を鳴らしていたり。。。
週末なのでオフィスだけでなく、ランチをするようなお店などもすべて閉まっており、お弁当を持ってきたのは正解だったなと実感。

デイブは時々スマホで道順を確認しながら先頭を歩く。我々が目指すスカイ・ガーデンは一体どこに…?
20 Fenchurch St. Walkie-Talkie Building
この写真ではわかりにくいが、目指す 20 Fenchurch Street ビルはユニークな形から「Walkie-Talkie(ウォーキー・トーキー)」と呼ばれている。確かに遠くから見ると一昔前のデカいトランシーバーのような頭でっかちな形をしている。

予約のチケットを見せてちょっとした荷物検査の後にエレベーターに向かう。週末だけあって家族連れやカップルなど、大勢がこの建物の38Fにある、ロンドンで一番高い公共ガーデンを目指す。
子供の頃、初めてサンシャイン60に行った時の事がふと頭を過る。。。よりも前に到着!高速エレベーターではあっという間だ。

到着してみると、その規模の大きさにまず驚く。ここは何と巨大な温室のようだ。London Sky Garden Plants
カフェでくつろぐ人、ベンチに腰掛けおしゃべりする人、何か食べている人、自撮りしている人、沢山の人が週末の公園に集うように、それぞれに楽しんでいた。
外のバルコニーにはフェンスが見えないほどに人が集まっていて、ロンドンの景色を眺めたり写真を撮ったりしている。38階なのでそれほど高くはないが、天気にも恵まれ、遠くの方までよく見渡すことができるようだ。

まずはバルコニーとは逆に、西側の階段を上ってひと回りすることに。
「ガーデン」の名に相応しく、沢山の植物が植えられている。普通の植物もあれば、まるで恐竜時代の原生林を想像させるような巨大なシダや、多肉植物までも。みんな元気に育っているという感じ。
London Sky Garden Succulents

なるほど、バルコニーは南側のみだが、北側は屋内の窓に沿って座れる舞台のようになっており、家族連れやカップルが座ってくつろいだり、お弁当を広げたりしている。こんなに良い景色を眺めながらお弁当にしたら気持ちが良いだろうな~と思い、ヘザーのサンドイッチを食べるのにどの場所が良いかな、などと勝手にスポットを物色しながら歩く。

レストランやバー、お土産屋さんなどもあって、観光スポットとしても十分機能しているようだ。
London Sky Garden View
今度は東側の階段を降り、窓からの眺めを楽しむ。
こちら側にはロンドンのランドマークとしてはビッグ・ベンと同じくらいに有名なタワー・ブリッジや、25年前に見学に行ったことのある Tower of London(ロンドン塔)などが、まるでおもちゃのようにすぐ目の前に見える。
遠く目を凝らせば、グリニッジの天文台や、更にテムズ川の先の地平線の彼方には北海まで見えそうなくらいだ。

とにかく、どちらを向いても景色を楽しめる造りになっているが、やはり目玉は南側のバルコニーだろう。人もまばらになってきたので、早速行ってみる。

London Sky Garden View先ずは東側の角で先ほどのロンドン塔やグリニッジの方を再度じっくりと眺める。
そして正面にはテムズ川を挟んでピカピカの三角形のビルが。これは The Shard という高層ビルで、中には高級ホテルやレストラン、バーやクラブなどがあるようだ。
すぐ下には先ほど通ってきたモニュメントが意外なほど小さく見える。

今度は西の端に移動し、目を凝らしてビッグベンを探す。確かにあの辺のハズ。。。
見ると他のオバちゃん達もワイワイと、あれが何だからこっちがあれのハズ、みたいにやっていた。
世界共通、みんな高い所に上ると同じようなことを考えるものだなぁ。笑

さて、ここでランチを食べるのかと思いきや、彼らのプランは違ったようだ!
スカイガーデンを出て、またもやテムズ川沿いを歩き始める。マザーグースの歌でも有名なロンドン橋を下から眺め、通り過ぎた辺りのビルの近くの落ち着いて座れそうなスポットでやっとお弁当を広げることになった。
London Bridge

そういえば、街中を歩くという事もあってか、特に飲み物など考えておらず、用意せずに来てしまった。とりあえずふたりでボトル半分くらいの水を持ってきていたので、それで事は足りたが。。。

さて、ランチの後はどこへ?ふたたび歩き出した。
テムズ川沿いは遊歩道になっていて散歩するのにはちょうど良いのだが、川の水はカフェオレ色だし、正直微妙。。。
ロンドン橋なども近代的なコンクリート造りであまり風情は無いが、時折、いかにもヨーロッパな彫刻を施した建物や派手な装飾の街灯などがあり、歴史や文化を感じることはできる。
一方で、向こう岸に超近代的な高層ビルが見えたりと、ちょっとアンバランスな所もなかなか面白い。考えてみれば東京も、近代的な佇まいの合間に、江戸時代や明治時代の痕跡がチラリといった場所が少なくないかもなぁ。

途中でバースで最初の夜に行った Fullers の直営パブを発見!まぁ、時間が早いのでまだ準備中だったが、こう暑くては冷たいビールでもぐいーっと飲んで喉を潤したい衝動に駆られる。

炎天下の中を1時間半ほど歩き続け、段々と言葉が無くなり、写真を撮る元気もなくなってきた。。。いい加減カフェでも行って休みたい!が、あまり繁華街を歩いていないのでそんな場所もなく、ただただ黙々と歩き続ける。
そのうちチョット意識が朦朧としてきた。
地下鉄やバスがいくらでも通っているのに、このままじゃ熱射病になりかねない。。。
デイブは相変わらずマイペースに少し先を歩いている。

Trafalgar Square飲み水が無くなってから既に1時間以上経過。通りを渡ってなるべく日陰を歩くようにしたが、足元がふらついてきた。マジヤバい!と思った瞬間、閑静な街並みが急に開けて、突如人が大勢行き来するる大通りに出た。

横断歩道がスクランブルしている交差点の先に、高い塔が見えた!ついに最終目的地トラファルガー広場に到着。
そして手前にはサンドイッチなど軽食を売る店を発見!!
無言で吸い込まれるように店の中に入ると、搾りたてオレンジジュースと水のボトルを掴んでレジへ。店を出るなり一気に飲み干した。

何とか倒れずに済んで、少しホッとした。広場は美しく、観光客が写真を撮ったりくつろいでいたが、噴水が出ていなくてちょっとガッカリ。いや、出ていたら思わず飛び込みたいくらいの暑さだったので、あえて水を出していなかったのかも???

地下鉄に乗って帰る道すがら、ヘザーと色々な話をした。
まず、気になっていたことを聞いてみた。
イギリスの事を英語(米語)では「UK」「Great Briten」「England」など、色々な呼び方があるが、実際にイギリス人はどう呼んでいるのか?

「イングランド」はイギリス国内でも一部の地域の名称だという事は知っているが、ロンドン近郊の人々にとっては良いが、ウェールズや北アイルランド、特にスコットランドの人々は、「自分達は違う」と区別したがる傾向にあるらしい。
ヘザー曰く、一番無難で一般的な呼び方は「UK = ユナイテッド・キングダム」だろうという事だ。

「Are you from UK?」と聞かれて「I’m from Scotland!!」と腹を立てているるスコットランド人を見たことがあるそうだが、いやいや、コレ間違ってないから。。。笑

そして気になっていた「GB = グレート・ブリテン」という呼び名。これはアメリカでの正式文書などに登場する。アメリカは「グレート・ブリテンから独立」した国だからだ。
イギリスの通貨も「GBP = 英国ポンド」と省略しているし。Toby Carvery

ところが彼女曰く、「もう誰も自分達の国を GB とは呼ばないわ!だって誰も私達がグレートだとは思ってないんだもの。」とのこと。
そして、「でも考えてみたら変よね。だってこの国ぜんぜんまとまり(Uniteして)無いし!一体どう呼んだら正解なのかしらね。」と笑っていた。

家に着くと、娘のクロエも準備ができており、一緒に車でレストランへ向かった。何かの話で、私が「カーベリーって何?」と聞いたことが発端で、ここで夕食を食べることに。
「Carve」というのは「彫る、削る」といった意味で、早い話が、グリルした肉を切り分けてくれるブッフェスタイルの店が「Carvery」というワケだ。

建物はレンガ造りで、ここがレストランだとはにわかに信じがたい雰囲気。ところが内装はクラシックなビクトリアン調で、いくつもの部屋に分かれて沢山のテーブルが配置されている。

席に着いて早速飲み物を聞かれ、ブライアンはカーリング、私は Old Mout Cider というニュージーランドのメーカーで、イギリスで作られているサイダーを注文した。種類が豊富でどれもなかなかユニークなフレーバーで迷ったが、パイナップル&ラズベリーに決定。

カービング・ステーションにはナイフを持ったお兄さんがいて、注文を聞いて肉をそぎ落とす。牛、豚、羊、鶏、ターキーと、5種類の肉の塊が木のまな板に乗っており、奥のキッチンでは大型のグリルオーブンが並んでいて、次から次へと肉が焼かれている。
クロエは「全種類!」と頼んでいたので私もそれに習うことにした。

食べ放題なので何度も取りに行くのかな?と思いきや、みんな皿から溢れそうなほどにガッツリ盛っていて、まるでカオス。
付け合わせはポテトのグラタン、ポテト炒め、マッシュポテト、フライドポテト。。。って芋ばっかじゃん!

野菜と呼べそうなものは調理しすぎて萎びたインゲンとカリフラワーくらいで、他の人よりは控えめに盛ってみたが、どう頑張ってもインスタ映えは難しい彩の悪さだ。ま、これはこれでなかなか面白い。

Rowy French Bulldogかなりこってりしているが、味は悪くなく、イギリスの一般家庭では時々外食に行くファミリーレストランのようなものらしい。アメリカでも「オールド・カントリー・ブッフェ」という店があるが、ちょっと似ているかも知れない。

あんなに盛って全部食べられるのかな?と思ってはいたが、やはりクロエは途中から食べるペースが落ち、ソワソワと様子がおかしい。
どうやら家で留守番しているローウィーにお肉を持って帰りたいようだとピンと来た。
ジップロックとか持ってくれば良かったね、と言うと、「ナプキンで包んで帰るから大丈夫!」と交わすやりとりは実家の母もイギリスの若い娘も変わらない。笑

そしてこれが帰宅後のローウィー。きちんと良い子におすわりして、お土産を待っているが、我慢できずに舌なめずり。

Fox and Houndsデイブの友達が迎えに来て、趣味のドラムセットを積んで出かけて行った。
この日は地元のパブで、アマチュアバンドのギグがあるのだ。

我々も後から現地に向かった。

彼らの住むサットンから北西にあるキングストンという街の近くにそのパブはあった。目の前はテムズ川が流れており、西日が当たるガーデン席は良い雰囲気だ。
向こう岸はいやに植物が繁り、まるで森のようだと思っていたら、どうやらハンプトン・コート宮殿がある広い公園のようだ。
真っ赤な夕日がちょうど大きな木の中に沈んでいくのが見えた。

Cheers! with Dave & Heatherここは Fox & Hounds という名のパブで、ドッグ・フレンドリーを掲げている。店のマスコットは超巨大な黒ラブくんで、暑さにへばってかテラスの真ん中ででーんと横たわっていた。

デイブ達の出番はわりとすぐにやってきた。オジサン3人組のバンドで、まぁ色々と課題はありそうだが、デイブのドラムの腕前はなかなかのものだった。

持ち時間はほんの15分ほどだが、入れ替わり立ち代わり、沢山のバンドやボーカリストの演奏があり、なかなか流行っている。遅くまでビールを飲みながら、久しぶりに再会した友人と楽しくおしゃべりして、イギリス最終日の夜を過ごした。

今回の我々のロンドン滞在に関して、色々とプランを立てたり予約してくれたのはヘザーだ。たったの2泊3日だが、普通の旅行ではなかなか行かない、地元っぽいイベントにも参加できて、とても楽しかった。

彼女とも仕事や人間関係の話など、文化を超えて沢山語り合う事ができたし、またいつかどこかで会えたら良いな。今度は日本を案内してあげたいね。

飲んだビール:
Maltsmiths (American style) IPA
Guinness Stout
Old Mout Cider Pineapple & Raspberry

行った場所 & 入ったお店:
Sky Garden
Toby Carvery Park Place
Fox & Hounds, Dog Friendly Pub

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