さて、お腹も空いたので、ローマ風呂遺跡の見学の前にもう一軒、という事で、気になっていた「サラマンダー(オオサンショウウオ)」という店へ。ここはブランチの時に飲んだ Sulis を作っている Bath Ales のビールを沢山取り揃えている。
Bath Ales のロゴはなぜかウサギが走っているような絵で何となく可愛らしい。
店内に入ると早速ディスプレイのボトルや各所に配置されたこのロゴが目についた。
感じの良いお兄さんが快く対応してくれたので、ここで一番気になったスタウト、その名も「Dark Side」を早速試してみた。
このビールもギネスと似てナイトロ(炭酸がキツくなく、クリーミーな泡立ち)のスタウトで、とてもスムースではあるものの、チョコレートのような香ばしい風味とほのかな甘酸っぱさがバランスよくブレンドされていて、かなり気に入った。
すぐにハーフ(パイント)注文。
イギリスではどこでもハーフで頼めるのが嬉しい。量をあまり早く飲めない私は、パイントだと最後の方のビールがぬるくなってしまうので、半分の量でまた新たに注ぎたてを飲めるのはありがたいのだ。
ブライアンは「Cubic」を注文。名前の由来かどうかは定かではないが、4種のホップをふんだんに使ったペールエールで、爽やかなホップの香りが効いているのにIPAほど苦味がキツくなく、フルーティーでとても飲みやすい。こちらもかなり美味。
食事はリブステーキとアペタイザーで気になった「ひよこ豆のテリーヌ」を頼むと、お兄さんが、「これ、シェフの新作でイチオシだよ!」との事。いわゆるフムスのようなものだろうと想像してはいたものの、パンや野菜が沢山添えてあって期待以上の美味しさ!しかもスモールサイズでこの量だったので、ふたりでも十分満足🎶
さて、お腹も膨れたことで、腹ごなしにローマ風呂まで歩く。が、すぐ近くの角に美味しそうなペイストリーのお店を発見。ついつい釣られて入ってしまう。。。店内には美味しそうなチョコやトリュフも沢山並んでいた。
これは買わずにはいられない〜。😍
今はお腹いっぱいだけど明日の朝いただきましょう!という事で、名前はよく見なかったけど、写真のクイニアマンみたいな感じのペイストリーをひとつ。バリエーションが多くて迷った結果、コアントロに決めた。やっぱりアルコール入りを選んでしまうこの悲しい性。。。
そしていくつか量り売りのチョコレートも購入。密かな楽しみが増えたわ❤️
ちょこちょこ寄り道しながらようやくローマ風呂に到着。昼間の混雑は嘘のように人気はまばらで、入り口にも誰も並んでおらず、すんなりと入れた。
セルフツアーの音声ガイドは日本語もあったのでそれでお願いし、順路にしたがって色々と見ていく。
ブライアンはローマの遺跡を見るのは初めてだったので、写真を撮りまくっていたが、音声ガイドの解説はまだるっこいらしく、看板を読むか、後でインターネットで調べれば良いといって早くもバラバラ。
美術館などに行ってもそれぞれが別のペースで回るので、大抵バラバラになるまとまりのない夫婦なのだった。
ここバースはかつてローマ人達が温泉を見つけ、その周りに街を建設した場所だ。この遺跡もあまり予備知識なしに訪れたが、実はすごい規模のものがまだまだバースの地下に眠っており、発掘作業が進められているという。よくよく説明を聞いてみると、水道の技術といい、床暖房のシステムや高い天井ドームなど、とにかくすごいものだった事がわかる。
何となくコメディ映画のテルマエロマエと重ねながら見学してしまうが、当時の建物はカラフルな壁画に囲まれ、疲れを癒しに寄った旅人が皆、その大きさに度肝を抜かれたと言うのだから、相当な絢爛さだったのだろう。
素晴らしい技術で作られたスパも、ローマ帝国の衰退と共に、手入れが行き届かずに排水口が詰まったりするなどし、廃れてしまう。それでも現在でもまだ当時と同じ温泉が湧き出ていて、水路もしっかりと機能しているのだから、本当にすごい事だと感心せずにはいられない。
写真の大浴場は本来はこの建物よりも高いドーム状の天井に覆われていて、常にミネラル豊富な温泉で満たされていたらしいが、現在は直射日光が射すため、藻のようなものが繁殖して乳緑色に濁ってしまっている。
雰囲気を出すために2階のバルコニーには旧ローマ皇帝やその他の著名人の彫刻が配置されていたり、所々に当時の衣装に身を包んだ係員がいたりと、なかなか面白い。通常の博物館と違って夜10時まで営業しているのだが、我々も日が暮れる(日没は20時と結構遅め)まで待つことに。
大浴場の横では何種類かのスパークリングワインが売られていたので、我々もローマに因んでプロセッコを注文。プラスチックではなくちゃんとしたシャンパングラスで手渡され、遺跡の中を自由に飲みながら歩き回れるのだから気が利いている。
大浴場のへりに腰掛けて、徐々に灯と共に表情を変えていく水面を眺めながら、古の風景を想像してみるのだった。
お店の情報:
The Salamanderローマ風呂遺跡:
The Roman Baths