Cotswolds – Sheep Enclosure in Rolling Hillsides

Castle Combe
イギリスに来て気づいたことのひとつだが、何かにつけ単語の数が多い。看板などを見ても、どうも説明チックと言うか、丁寧なのか、アメリカ英語と違っていて結構面白い。例えば駅などの出口はアメリカだけでなく日本他の国でも「Exit」と書かれているが、イギリスでは「Way Out」と2単語で書かれている。アイコンなどもなく、視覚に訴えないので、最初はちょっと戸惑ってしまった。

さてさて、8月22日(木)はバースからコッツウォルズへのツアーに参加。イングランド西側の丘陵地帯の総称で、結構広範囲に渡るため、16人ほどのこじんまりとしたツアーで連れて行ってもらうことにした。

Castle Combeコッツは羊、ウォルドは丘という意味で、アメリカ英語や日本語なら「羊ヶ丘」みたいな名前になるんだろうけど、イギリス英語では題名のように「なだらかな丘の中腹に囲われた羊」というような情景を現す意味とされている。やっぱりここでもかなり説明チックで単語数が多い。。。笑

ツアーガイドのポールはバースの出身で、この辺のことには詳しく、なんでも聞いてくれ、と頼もしい。最近はストーンヘンジへのツアーが多いそうだが、コッツウォルズの方が好きなので久しぶりにガイドできて嬉しいと話していた。
参加者はアメリカ、カナダ、スウェーデン、スペイン、インド、中近東、などなど、世界各国から。ただ全体的にあまりノリの良い感じではなく、ガイドさん若干スベり気味。私も時々ハワイでドライバー兼ツアーガイドをするので、彼の心境が痛いほどわかる。

最初のストップはバースから北へ30分ほどの「Castle Combe(カースル・クーム)」。まだ朝早い事もあり、観光客はほとんどおらず、静かで美しいはちみつ色の石造りの家が建ち並ぶ小さな村だ。

この地方で採れる石灰岩は黄色がかっているのが特徴的で、「コッツウォルズ・ストーン」とも呼ばれているらしい。ツアーではいくつかの街を訪れるが、どこもこの石で建てられた典型的な街並みが見れる。

Castle Combe
「イングリッシュ・ガーデン見たい?」と聞くと、ポールは住人しか入れない柵の先へ臆面もなく我々を誘導し、奥の一軒の家のドアを叩く。どうやら知り合いらしく、庭を見せてくれと話しているようだ。
Castle Combe
案内された庭は、表の小さな佇まいからは想像できないほど広く、綺麗に手入れされた芝生に野ばらや山紫陽花といった柔らかな風合いをもつ沢山の花が植えられ、とても素晴らしかった。蔦の絡まるパティオに小さなテーブルがあり、こんな所で毎朝お茶したらどんなにか癒されるだろうと想像したが、同時に、この庭を手入れするのは相当な労力だろうなぁとも。

緩い坂道を歩き、街の入り口から見えた塔のある教会へ。様式は全く異なるのだが、どことなく日本で訪れた妻籠を思い出させるような空気が流れていた。古い街並みというのは文化が違っても、どこか似たような風合いを持っているのかも知れない。

次のストップは「Malmsbury(マームズベリー)」という割と大きな町。ポールのお気に入りらしく、朝食を食べてない人はここのアビー(大修道院)のカフェがオススメだよと連発していたので、ツアー参加者の殆どがコーヒーとケーキを食べていた。我々もカプチーノとチョコレートケーキを注文。美味しかった。
Malmsbury Abbey Cafe

かなり古く立派な教会だが、殆どの部分は壊れてしまっており、オリジナルを残すのはアビーの中心部分の一部のみ。後は修復されて辛うじて原型を留めているようだが、かつては屋内だった部分が崩れ落ちて出入り口を埋められていたり、壁らしきものが途中で分断されていたりと、痛々しく見える部分も大いにあった。
屋内に展示されていた古い書物などの保存状態も良く、大切にされているのだと言うことが見てとれる。

この修道院で特に素晴らしいと感じたのは、本来あるべき姿だとは思うのだが、人々が常に集まるコミュニティ施設として「開かれた」場所であるという点。歴史的にも重要な文化財であるはずであるにも関わらず、建物の中には地元の人々が持ち寄る商品が売られるショップがあったり、カフェとしてくつろぐ人々や、朝の定例会をやっているらしきお婆ちゃんの一団が大きなテーブルに陣取っていたりと、とっても庶民的。ミラノの大聖堂のような荘厳な雰囲気も確かに素晴らしいけど、こういった身近な、本来の目的を成している大修道院も素敵だなと思った。Malmsbury Abbey

アビーを出て、街の中を散策。
美術館に案内され15分ほど自由時間ができたので、近くで見かけて気になったレトロなブラウスが飾られていたリサイクルショップへダッシュ!お姉さんにショーウィンドウの服を脱がせて試着させてもらう。
サイズは若干大きかったが、何と3ユーロだったので迷わず購入。私のイメージの服ではないが、このオールドイングリッシュな雰囲気で思わず買ってしまった。

Stow On The Wold Queen's  Head Pub
その後もいくつかの地を廻るのだが、ここ、「Stow on the Wold(ストウ・オン・ザ・ウォルド)」ではランチブレイク。ポールのオススメで真っ先にビールを飲みに。

入ったパブは The Queeen’s Head」。地元の Donnington Brewery の直営店らしく、コッツウォルズの地ビールが飲める!
食事の評価も良さそうだったのだが、我々の入った時間帯にはランチは終わっており、腹ペコのままビールを飲むことになってしまった。

写真は Best Bitter と Cotswold Gold。ビターというのはイングランドではエールの事を指すが、多くのブルワリーで「B.B.(ベスト・ビター」という名前のビールを作っているようだ。殆どがアンバー色で炭酸少なめ、アルコールも低めだ。こちらも例に漏れず飲みやすいが喉ごしを求めるビールラバーには全般的に物足りないのかも。ゴールドも軽めでスッキリ、シトラス系の爽やかさがあるが、後味は少々甘め。
Stow On The Wold tree door

パブで食事ができなかったので、我々にはアフタヌーンティーをする時間も残っておらず、仕方なく味気ないプレーンのスコーンを購入してそれで終わり。涙

その代わり、St. Edward’s 教会の裏手にあるこの木で囲まれたドアを見学に行った。実はコレ、Lord of the Rings の作者である JRR Tolkien が訪れ、小説のイメージとしてインスパイアされた場所だとされている。確かにホビットでも顔を出しそうな雰囲気のある扉だ。

Arlington Row

最後の写真は Arlington Row。小川が流れる脇にはちみつ色の家が並び、大きな柳の木などとても雰囲気のある場所だったが、とにかく観光客が多くて写真を撮るにも一苦労だ。

素敵な街並みだが、よく見ると家の窓に立ち入り禁止の看板が。。。しかも英語と中国語で書かれている。周りを見渡すと、中国系の観光バスが大勢のツアー客を下ろしている。なるほどねぇ。

ちょっと残念な気もするし、住人の方々には気の毒だが、我々も観光客なので偉そうなことは何も言えない。
ツアーではやはりゆっくりと自分のペースで見学することができず、最後は何となく物足りなく感じたが、これはこれで良い経験ができたのだと思う。どこが一番気に入ったか。。。甲乙つけがたいが、やはり最初に行った、まだあまり人気の無い、静かな Castle Combe が良かったかなぁ?

飲んだビール:コッツウォルズのブルワリー Donnington Brewery より
Best Bitter(Amber Ale)
Cotswold Gold

入ったお店:
The Queen’s Head

ツアー会社:
Lion Tour

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